ドロバを打たれて世界平和を目指す人間は極めて危ない
ド
ロール&ロックバードとは「悪」であり、本来であれば存在してはならないカードだが、癒着と賄賂の応酬により禁止制限から免れている裏禁止カードの1枚である。
センサー万別もその1枚
大会に出て、久々に【コードトーカー】を使用した。「気持ち良くなりたい」この一点のみを求めてデッキ選択を行う様(サマ)は、シンプルに犯罪者と言わざるを得ない。
ところで筆者のじゃんけんの勝率は3%前後なので、流石に避けたいと思い、
「あの~サイコロでも良いですか? 」
相手「じゃんけんで」
じゃんけんです。
終わりだ
このまま確定で敗北するくらいなら、パーを出すと見せかけて、対戦者の顔面に全体重を乗せた「パー」をぶち込めば気絶して勝てたりしないだろうか?
などと考えているうちに、じゃんけんのコールが始まる。
おいおい不意打ちでは?
こちらのメンタルは未だ「拳選択画面」だし、急に始められると手がつる可能性だってアワアワアワアワ
おれ「👊」
相手「✌」
それでは、フルボッコにさせて頂きます。
終焉の序章
マイニングやデバッガー、うららまである。この世には「持つ者」「持たざる者」が存在するが、今この瞬間だけは圧倒的に、前者だ
デバッガーの効果発動。チェーン無し
ホッと胸をなで下ろしながら、デッキを持ち上げ、シャカシャカとサーチ先を探す。
これは比喩でも何でもなく腕が3本あることを意味しています
よしよし。うららは無いな。ここから超展開して逆転不可のハイパー盤面を…
「処理後考えます」
何のことは無い、優先権放棄による相手の思考。
しかし、身の毛のよだつ寒気と、一般的ではない独特な「処理後考えます」の雰囲気
何を考えるのだろう。
処理後今から閲覧する覚悟を決めるので思考を整理しますの考えます、だろうか
いずれにしても尋常ではない。空気が重い。
しかしながら対戦者が纏う空気は、こちら側に反して軽い
しかも、よく見たら笑っている。
口角がつり上がり、悪魔の如し形相で、1枚のカードをゆっくりと使用する
「ドロバで」
世界は、終わりを告げた。
サーチに依存した構築なのでデッキが回転する訳なく、41枚の塊(カタマリ)が、ドロバ1枚に存在を否定された気がした
震える手でトランスコード&ヒートソウルを立てたが、確か、相手もリンクデッキで・・・
あまりの衝撃と脳へのダメージにより記憶が曖昧だ。盤面に何も残っていなかったので、多分全てを破壊されたのだろう。
ドロバの影響はテンポアドバンテージの消失に留まらず、心理的に、物理的に、人体を破壊する
我々は、勝負する前に、サーチを行う前に、既に負けているのだ。
ドロール&ロックバードに────
対策
上記のケースは非常に多く、今日(コンニチ)に至るまでの被害者は、全国で2000万人を超えると言われている。
実際に被害を受けた筆者としても、何らかの防御手段を講じるべきだと考えた。
そもそも「ドロバ=打たれるとヤバい」の認識が強く根付いているからこそ、実際に打たれた際の心理にも「黒感情」が強く作用してしまうのでは?
故に、最初から
「ドロバを知らなかった」
ことにする、即ち自らの脳みそから「ドロバ」の存在を抹消すれば、脳破壊の軽減を図れるはずだ。
「何を言っているのか分からない」という稀有な、ごく少数の方の為にも詳しく説明する。
普通にドロバを打たれる瞬間、その「間」と「雰囲気」を身体が知っているから打たれる前の時点でストレスが発生するのだ。
そして打たれた瞬間、テキストを読まなくても分かるため「ドロバを打たれた」現実だけが襲い来る。
続けてケア手段を用意していなかった嫌悪感が、最後に強烈な絶望感が、段階的にメンタルをえぐり、精神を破壊
しかしながら最初から「ドロール&ロックバード」というカードを知らないなら、どうだろう。
打たれた時のショック、即ちメンタルへのダメージを極限まで軽減できる。
初めて「ドロバ」を食らうのだから、苦しみよりも「そういったカードがあるのですねぇ~!」などと感動が上回ってショックを打ち消すわけだ。
普段であれば絶望の感情でターンを返す所を、目ん玉を極限まで見開き、ダイヤモンドにも匹敵する輝きでキラキラさせながらターンエンド。
これ程までに、幸せな事があるだろうか。
確かにドロバにより、ゲームに敗北する可能性がグンと高まる。
しかし心理的な駆け引きでは間違いなく勝利している。ドロバを嫌悪するどころか、感心しているのだから。
心の平穏は、転じて平和へと繋がる。
この世全ての情報を捨て去り。
真なる平和を、私たちと共に目指しませんか?
明日は、仕事です。
おわり(全てが)